写真で人生が変わった人。

デジモノとガジェットが好きなフリーランスカメラマンのライフハック雑記

三脚と雲台のネジは定期的に点検を。

こんにちは、TATSUNORI (@t_nby)です。

今日はカメラを支える大事な三脚と雲台のメンテナンス(ボルト)についてお話しようかと思います。

実際私が起こした事故などではないのですが、三脚や雲台はデリケートな問題です。
日頃から使用していると三脚や雲台のボルトが緩み思わぬ事態を起こしたりします。

なのでネジ(ボルト)六角レンチトルクスドライバーで定期的に締めなければなりません。

実際に私が見た事のある三脚、雲台の でのヒヤリ一例を挙げてみます。

  • 花火大会で近くの観客席に居た方が準備中にVelbon三脚の脚がすっぽ抜ける
  • Manfrottoの雲台レバーが急に外れてカメラが落下
  • GITZO三脚のボルト締まりが甘かったのか急に傾き転倒、落下一歩手前になる
  • 電車の中、三脚をリュックに括り付けていた運搬中にいきなり脚が脱落

私が起こした事のあるヒヤっとした事例はギア雲台の内部ボルトが緩み台座と雲台が外れた事です。内部のボルトが外れるってどういうこっちゃ…

三脚と雲台は便利だがリスクもある

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一般的にカメラ用の三脚や雲台は構図を調整したり、手ブレをさせない為の撮影機材ですが、カメラを事故から守ってくれる役割もある重要な機材でもあります。

新品の三脚を購入すれば大抵の商品では規格に対応した六角レンチが付属されてきます。多くは雲台用の物にもなりますが、三脚のボルトも使用していれば徐々にですが自ずと緩みが出てきます。

ボルトの緩みを放置していると三脚と雲台はカメラを支えられなくなり機材が自立出来ずに一部部品が脱落し転倒落下の可能性があるだけではなく周囲に人が居れば怪我を招く恐れもあります。
ですので自分の機材を守る為にも、他人に思わぬ迷惑が掛からぬ為にも、定期的に点検やメンテナンスをする必要があります。

例えば強風の天候で撮影をしている途中で目を離した隙に風に煽られてしまい、周囲の人に当たってしまう可能性などがあります。
実際に私も花火大会で打ち上げ時刻まで待機している最中に三脚が転倒してきて背中を強打された事があります。少し痛かった程度でしたし、持ち主から謝罪もありましたので大きな事故にならなかったのが不幸中の幸いでした。

こういった事例は最悪の場合、自転車がドミノ倒しのように他の撮影者の機材まで巻き込んでしまう事さえもあります。満員電車の車内で揺れに耐えていると思わぬ方向からいきなり人の雪崩で体勢を崩した事がある方は多いと思います。これとほぼ同じ現象です。

また花火大会などでは撮影中に限らず、中学生くらいまでの子供が段差をよじ登る為に手すり代わりに三脚の脚を掴む事がよくあります。これは三脚に体重分の負荷が掛かって予期せぬ事態を招きやすいです。本当に怖いのでお気を付けて。

ですので今一度お手元の三脚や雲台のネジ(ボルト)が緩んでないか確認をお勧めします。

ボルトの規格はメーカーによって異なる

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トルクスボルト

例えばですが、Manfrottoはイタリア製でしてネジ(ボルト)の規格はトルクスボルトという自動車製品精密機械製品によく用いられる特殊な構造をしています。

トルクスボルトとはアメリカCamcar社が開発したねじの規格です。ボルトの頭と工具の接触面が曲線で構成されているのが特徴で、従来のボルトやナットと比べてトルクの伝達効率が高く、また磨耗や割れの原因となる応力の集中が分散されているので耐久性も高い規格です。

こういった特殊なボルトの場合、ドライバーやレンチなど寸法とボルト径を合致させなくてはいけません。
三脚や雲台は公式ホームページで対応している規格のボルトと寸法が掲載されているので要確認です。

対応規格のボルトとレンチやドライバーを用意

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カメラ用三脚と雲台の多くは5/32インチの六角ボルトを採用しています。
アルカスイス互換品などには一番用いられる規格ですし1本は持っておきたいですね。

最近人気であるPeak Designもアンカープレートは4mmの六角ボルトを採用しています。付属品はアクセサリー化しやすいようにリング状の輪が付いておりeveryday BackPackなどと非常に相性が良いです。付属品1本を無くすと怖いのでトラスコの予備レンチも一応所持しています。

三脚の脚が段々ふにゃふにゃしてきて気になると言われるメーカーは、多くの方が口を揃えてGITZOと言います。
GITZOは三脚界隈では最高級品クラスのメーカーでして堅牢性や操作性など満足度が高く、価格も高い特徴があります。GITZO三脚に採用されているトルクスボルト(規格はT25)は非常に頑丈ですが、トラベラー三脚など開脚頻度が多い製品はボルトが緩みやすいです。しかし付属品のトルクスレンチで締め直そうとすると品質の悪さ故にネジなめを起こしやすいので注意が必要です。

対策としては工具専門メーカーのANEXかVESSELのトルクスレンチを用意するのが良いでしょう。ホームセンターやネット通販などでも500円〜1000円程度の商品でも十分精度がよいので…

定期的な点検を忘れずに

点検を怠っていると万が一の場合は自分だけでなく他人を巻き込んでしまう場合があるので気を付けておきたい項目です。
私も最初は特に気にしていませんでしたが、実際に周囲では起きていて明日は我が身だと思うようにし、注意を払うようになりました。

三脚や雲台の規格に対応しているボルトは様々な種類がありますが、適切な工具を用意した上で1ヶ月に1度は全ての機材のネジ周辺は緩みがないかチェックしています。

こういった意識は運転でいう「かもしれない運転」と実質同じで予測の類です。カメラや三脚を使用する際は「念には念を」という少しの意識でも違います。

カメラ清掃のクリーニングついでに三脚や雲台もクリーニングティッシュで拭く際など、ちょっとした目線を伸ばしてみるのも良いと思います。